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訪問看護を辞めたいと感じたら|5つの原因と対処法を解説
目次
- 01訪問看護を辞めたいと感じるのはあなただけじゃない
- 02訪問看護師が辞めたくなる5つの原因
- 1人での訪問・判断の孤独感と不安
- オンコール待機の精神的拘束
- 記録・事務作業に時間を奪われる
- 看取りの頻度と精神的重圧
- 給与が病院より低い
- 03「もう限界かも」と感じたときのセルフチェック
- 04訪問看護を辞めたいときの3つの対処法
- 1. まず「何が辛いか」を言語化する
- 2. ステーションの規模・体制を変える
- 3. 病院・クリニックへの転職も選択肢に
- 05よくある疑問 Q&A
- Q. 訪問看護を辞めたいと思うのは、慣れ不足が原因ですか?
- Q. 訪問看護の経験は他の職場で評価されますか?
- Q. 転職先として人気のある職場はどこですか?
- 06失敗例・よくあるNG:訪問看護からの転職でやりがちなミス
- NG1:「スタッフ数が多いから安心」とオンコール体制を確認しないまま入職した
- NG2:1人訪問の不安を「慣れれば解決する」と自分に言い聞かせ続けた
- NG3:「看取りに慣れなければプロではない」と感情を押し込み続けた
- 07まとめ:訪問看護の経験は「あなたの強み」です
- 次のステップへ
「また今夜、オンコールが鳴るかもしれない…」
そう思いながら眠れない夜を過ごしていませんか?
利用者さんの自宅で1人、急変の判断を迫られる瞬間。携帯が鳴るたびに心臓が跳ねるオンコール待機。「この判断で本当に合っているのか」と、車を走らせながら不安になる感覚。これらは訪問看護師にしか分からない、特有の辛さです。
辞めたいと感じるのは、あなたが弱いからではありません。訪問看護という環境の構造的な問題が、そうさせているのです。
この記事では、訪問看護師が「辞めたい」と感じる原因を公的データで整理し、具体的な対処法と転職の選択肢をお伝えします。
訪問看護を辞めたい主な原因は、1人での判断への不安・オンコール待機の精神的拘束・病院より月約2.6万円低い給与の3つです。一部の調査では訪問看護師の離職率は16.7%と、病院看護師の13.9%を上回っています(神奈川県 2023年)。
訪問看護を辞めたいと感じるのはあなただけじゃない
まず知ってほしいのは、辞めたいという気持ちはあなただけが抱えているわけではないという事実です。
看護師の3人に1人以上が「辞めたい」と感じた経験あり37.0%
日本医療労働組合連合会 看護職員の労働実態調査(2022年)
日本医療労働組合連合会「2022年 看護職員の労働実態調査」によると、看護師全体の37.0%が「辞めたいと感じた経験がある」と回答しています。3人に1人以上が、同じような気持ちを知っているのです。
さらに、訪問看護ではその傾向がより顕著に表れます。日本看護協会「2022年 病院看護・助産実態調査」では正規雇用看護師全体の離職率は11.8%ですが、神奈川県の調査では訪問看護師の離職率は16.7%と、病院看護師(13.9%)を上回っています(神奈川県「令和5年度 看護職員就業実態調査」)。
※ この数値は神奈川県の地域調査であり、全国の数値とは異なる可能性があります。
「辞めたいと思うのは、慣れていないから」「自分が弱いから耐えられないんだ」と自分を責める必要はありません。訪問看護の仕組みそのものが、看護師に大きな負荷をかけているのです。
訪問看護師が辞めたくなる5つの原因
1人での訪問・判断の孤独感と不安
訪問看護最大の辛さは、利用者さんの自宅という「アウェイ」での判断です。病棟なら隣に先輩がいて、「これどう思いますか?」と一言声をかけられます。しかし訪問先では、その場にいるのは自分だけです。
急変が起きたとき、医師への報告内容を考えながら処置を行う。その間、頼れるのは自分の判断力と経験のみ。この重圧は、訪問看護を経験した人にしか分かりません。
「自分の判断が間違っていたらどうしよう」という不安を抱えたまま、毎日訪問を続けることの消耗感は、非常に大きなものです。
オンコール待機の精神的拘束
「いつ電話が鳴るか分からない」状態の恐ろしさは、実際に体験した人にしか伝わりません。
オンコール待機中は、たとえ電話が1本も鳴らなくても、自由に過ごすことができません。外出や飲酒には制限がかかり、深夜でもすぐ動けるよう準備しておく必要があります。これは心理的な自由を大きく制限する拘束です。
ステーションの規模や体制によって待機日数は大きく異なります。常勤スタッフが少ない小規模ステーションでは、月に何日もオンコール待機が続くことがあります。「鳴らなくてよかった」と思いながら眠れない夜を繰り返すうちに、心身が疲弊していきます。
記録・事務作業に時間を奪われる
訪問看護の超過勤務の主因として、「記録・報告書作成」が多くの看護師から挙げられています。訪問後のステーション戻り・記録入力・ケアマネジャーへの連絡・各種書類作成が積み重なり、利用者さんに使いたい時間と心のエネルギーが書類業務に削られてしまいます。
「もっと利用者さんのそばにいたい。でも記録が終わらない」というジレンマは、訪問看護師の共通の悩みです。
看取りの頻度と精神的重圧
訪問看護では、在宅看取りに立ち会う機会が病院看護師より多い傾向があります。利用者さんと長期間にわたって関係を築くからこそ、看取り後の喪失感は深いものです。
病棟なら同僚と感情を共有できますが、訪問看護師は1人で次の訪問先に向かわなければならないこともあります。悲嘆を処理する時間や場所がないまま、また別の利用者さんへのケアを始めなければならないのです。
この積み重ねが、知らず知らずのうちに心を消耗させていきます。
給与が病院より低い
日本看護協会「2024年 病院看護・助産実態調査」によると、訪問看護師の平均月給は383,262円で、病棟看護師の409,436円と比べて月約26,000円の差があります。
「責任は重いのに、給与が見合わない」というギャップを感じている訪問看護師は少なくありません。オンコール手当がついていても、精神的な拘束感を考えると「割に合わない」と感じる方も多いです。
看護師全体で最も多い退職理由は「人間関係」で26.5%ですが、訪問看護ではこれに加えて、1人での判断の不安・オンコール・看取りの負荷が重なります。複数の要因が絡み合うからこそ、「辞めたい」という気持ちが生まれやすいのです。
「もう限界かも」と感じたときのセルフチェック
このチェックリストは気づきの目安であり、医学的な診断ではありません。精神的な不調が続く場合は、医療機関に相談することも選択肢の一つです。
3つ以上あてはまる場合は、今の環境を見直す材料として受け止めてみてください。「耐えれば慣れる」と思い込んで無理を続けることが、必ずしも正解ではありません。
訪問看護を辞めたいときの3つの対処法
1. まず「何が辛いか」を言語化する
「訪問看護が辛い」という気持ちを、できるだけ具体的に言葉にしてみましょう。
- オンコールの頻度が多すぎる
- 1人での判断が怖い
- 給与が低い
- 看取りの頻度が自分には多すぎる
どれが一番つらいかが分かると、「ステーションを変えれば解決するのか」「訪問看護自体が自分に合っていないのか」を切り分けられます。これが次の行動を決める第一歩です。
メンタル面での不調が深刻な場合は、うつ・メンタル不調を抱える看護師の転職も参考にしてみてください。
⚠️ つまずきやすい落とし穴:「辛い理由」の言語化が曖昧なまま転職先を探してしまう「とにかくオンコールがつらい」と感じていても、実際の原因が「オンコールの回数」なのか「夜間の1人判断が怖い」のか「翌日の訪問件数が減らない疲弊」なのかで、解決策はまったく異なります。回数が主因なら大規模ステーションへの移籍で改善できますが、1人判断への不安が主因なら訪問看護自体が合っていない可能性があります。転職活動を始める前に、「直近1か月でいちばんつらかった瞬間は何か」を具体的に一文で書き出してみてください。書き出した文章を見ると、「環境の問題」か「訪問看護という仕事自体との相性」かが見えてきます。この見極めをせずに転職先を探し始めると、移籍後も同じ不満を繰り返す可能性があります。
2. ステーションの規模・体制を変える
訪問看護ステーション数は全国17,329カ所(全国訪問看護事業協会 2024年4月時点、前年比10.4%増)と、選択肢は増え続けています。
大規模・チーム制のステーションに移ることで、オンコール負担や1人での判断への不安が大きく軽減される場合があります。同じ「訪問看護」でも、ステーションの環境によって働きやすさは大きく変わります。
「訪問看護は好きだけど、今の環境がつらい」という場合は、まずステーション変更を検討してみましょう。
⚠️ つまずきやすい落とし穴:大規模ステーションに移ったのにオンコール負担が変わらなかった「スタッフが多い大規模ステーションに移ればオンコールが減る」と期待して移籍したものの、実態はあまり変わらなかった——というケースがあります。オンコール負担は「スタッフの総数」だけでなく、「夜間待機の担当者数」「月平均待機日数の実績」「待機中の訪問件数の多さ」によって決まります。移籍前に必ず確認すべき3項目は以下のとおりです。まず「常勤スタッフは何人いますか」だけでなく、「夜間オンコールを担当している人数は何人ですか」を聞きます。次に「1人あたり月平均何日の待機がありますか」を実績値で確認します。そして「待機中に実際に呼び出しが発生する頻度は月平均どのくらいですか」を聞くと、名目上の体制と実態のギャップを把握できます。求人票に「チーム制でオンコールを分担」と書かれていても、担当者が少なければ負担は変わりません。
3. 病院・クリニックへの転職も選択肢に
訪問看護で培ったアセスメント力・多職種連携力・コミュニケーション力は、病院やクリニックでも高く評価されます。「在宅での全体像を見る力」は、外来でも施設でも確実に活きます。
外来クリニック・介護施設・訪問診療クリニック・健診センターなど、転職先は幅広く存在します。夜勤なし・オンコールなしで月給を維持できる求人も多くあります。
看護師の平均年収は508.1万円(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2023年)と全産業平均約454万円を上回っています。転職先によっては、給与水準の改善を狙うことも可能です。
転職の全体の流れを確認したい方は、看護師の転職の流れも参考にしてみてください。
⚠️ つまずきやすい落とし穴:訪問看護のスキルを「病院では使えない」と思い込んで自己評価を下げる「訪問看護しかしていないので、病院の面接で何をアピールすればいいか分からない」という声をよく聞きます。しかし、訪問先での全身アセスメント・独立した判断力・ご家族も含めたコミュニケーション・多職種(ケアマネ・かかりつけ医・薬剤師)との連携経験は、病院の外来や地域包括ケア病棟では特に重宝されるスキルです。面接でのアピールに詰まる原因のほとんどは「自分の経験を病院の言語に翻訳できていない」ことにあります。例えば「1人で訪問先の急変を判断した経験」は「独立したアセスメント力と報告連絡相談の実践力」と言い換えられます。転職エージェントに「訪問看護の経験を病院向けにどう伝えればいいか」と相談すると、言語化を一緒に整理してもらえます。
訪問看護の経験、次のステップでも活きます
「訪問看護から転職したい理由」を話すだけでOK。次の選択肢を一緒に整理してもらえます。
よくある疑問 Q&A
Q. 訪問看護を辞めたいと思うのは、慣れ不足が原因ですか?
A. 慣れで解消する部分もありますが、オンコール体制・ステーション規模・看取りの頻度などは個人の努力では変えられない環境要因です。「慣れていないだけ」と自分を責める前に、今の環境があなたに合っているかどうかも確認してみてください。
Q. 訪問看護の経験は他の職場で評価されますか?
A. 訪問看護で培ったアセスメント力・多職種連携・コミュニケーション力は、外来・施設・在宅診療支援など幅広い職場で高く評価されます。「訪問看護しかできない」ということは決してありません。
Q. 転職先として人気のある職場はどこですか?
A. 訪問看護師の転職先として多いのは、外来クリニック・介護施設・訪問診療クリニック・健診センターなどです。夜勤なし・オンコールなしで月給を上げられる求人もあります。夜勤なしの職場については夜勤なしで働ける職場の探し方も参考になります。
失敗例・よくあるNG:訪問看護からの転職でやりがちなミス
訪問看護から転職・移籍を検討する看護師に多い、実際のつまずきパターンを3つ紹介します。
NG1:「スタッフ数が多いから安心」とオンコール体制を確認しないまま入職した
求人票に「スタッフ20名以上の大規模ステーション」と書かれていたため、オンコール負担が少ないと期待して移籍したものの、夜間待機の担当者は実質5〜6人で、月の待機日数は前のステーションとほぼ変わらなかった——というパターンです。スタッフの総数とオンコール担当者数は別の数字です。「夜間に実際に呼び出しが発生する頻度」「1人あたりの月平均待機日数」を面接時に聞かなかったことが、ミスマッチの直接原因になります。大規模であることは選択肢の広さを示しますが、オンコール負担の軽減を目的に移籍する場合は、体制の実数を必ず確認してください。
NG2:1人訪問の不安を「慣れれば解決する」と自分に言い聞かせ続けた
「経験を積めば慣れる」と信じて訪問看護を続けたものの、2年経っても急変時の1人判断への恐怖感が薄れなかった——というケースがあります。アセスメント力は経験で向上しますが、「誰もいない空間で全責任を負う」という心理的プレッシャーへの耐性は、個人の特性に大きく依存します。「怖いのは慣れ不足だ」と自責し続けることで、転職という選択肢を持つこと自体を先送りにしてしまった例は少なくありません。1人判断が根本的に合わないと感じているなら、それは弱さではなく適性の問題です。外来クリニックや病棟への転職を早期に検討する方が、長期的な消耗を防げます。
NG3:「看取りに慣れなければプロではない」と感情を押し込み続けた
在宅看取りに繰り返し立ち会ううちに、「毎回感情的になるのは未熟だ」と自分を責めてケアを続けたものの、ある時点で燃え尽き感が生じて急に働けなくなった——という例があります。訪問看護の看取りは、病棟と違って長期的な関係の末に訪れることが多く、喪失感の深さが異なります。感情を処理する時間や場所がないまま次の訪問に向かう構造は、個人の努力では変えられない環境の問題です。「感情が動くこと」はプロとしての欠如ではありません。定期的に同僚や管理者と感情を言語化できる場(デブリーフィングや振り返り面談)があるかどうかを、ステーション選びの基準の一つにすることをおすすめします。
まとめ:訪問看護の経験は「あなたの強み」です
この記事でお伝えしたかった3つのことをまとめます。
- 訪問看護の「辞めたい」には構造的な原因がある: 1人判断の不安・オンコールの精神的拘束・給与格差・看取りの重圧は、個人の弱さではなく環境の問題です
- まず「何が辛いか」を言語化し、方向性を決める: ステーション変更で解決するのか、訪問看護以外の職場に転職するのかを切り分けることが大切です
- 訪問看護で培ったスキルは次のキャリアでも確実に活きる: アセスメント力・多職種連携力は、病院・クリニック・施設など幅広い職場で評価されます
「今の状況を変えたい」と思ったとき、まずは「どんな選択肢があるのか」を知ることから始めてみてください。
次のステップへ
- うつ・メンタルが限界 → うつ・メンタル不調を抱える看護師の転職
- 人間関係が主な原因 → 看護師の人間関係の悩みと対処法
- 夜勤なしで働きたい → 夜勤なしで働ける職場の探し方
- 退職の伝え方を知りたい → 看護師の退職の伝え方ガイド
- 転職の全体の流れ → 看護師の転職の流れ
- 転職サービスを比較したい → 看護師転職サービス比較
まずは「どんな選択肢があるか」を知るだけでOK
訪問看護からの転職に詳しいエージェントに相談すれば、あなたの経験を活かせる求人を一緒に探してもらえます。
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