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ノウハウ

看護師の内定後の手続き完全ガイド|承諾から入職準備まで

看護師転職の羅針盤 編集部2026年6月30日 更新14分で読めます
目次

看護師が内定後にやるべき手続きは、大きく3段階です。

  • 労働条件通知書を書面で確認して内定を承諾する
  • 就業規則に沿って退職手続き・引き継ぎを行う
  • 健康診断書などの入職書類を早めに準備する

この記事では、内定承諾から入職日までの全ステップを時系列で解説します。

内定後の手続き:全体の流れを把握しよう

内定の連絡が来た瞬間、嬉しさと同時に「次に何をすればいいんだろう」と不安になる方は少なくありません。 転職活動の本番は、内定通知を受け取ってからとも言えます。

内定後から入職日までには、大きく3つの段階があります。

段階内容目安期間
STEP 1内定承諾・条件確認内定通知から1週間以内
STEP 2現職の退職手続き退職希望日の1〜3ヶ月前
STEP 3入職準備入職日の2〜4週間前

転職活動全体の流れを確認したい場合は、看護師の転職活動の流れ完全ガイドもあわせてご覧ください。

看護師の転職市場は売り手優位が続いており、有効求人倍率は2.4倍(厚生労働省、2024年度)に達しています。 しかし内定後の手続きを誤ると、入職前から職場との関係がぎこちなくなったり、現職との退職トラブルに発展したりするケースもあります。 各ステップを丁寧に進めることが、スムーズな転職成功につながります。

看護師1人に対して2.4件の求人がある売り手市場2.4倍

厚生労働省(2024年)

内定後の主要な手続きと目安期間・主なつまずきポイント

各ステップの期間感とよく起きる問題を一覧で確認してください。

ステップ作業内容目安所要時間よくあるつまずき
STEP 1-① 内定保留連絡返答期限の確認・条件検討1〜3日返答が遅れて採用担当者の心証悪化
STEP 1-② 労働条件確認通知書の項目精査・交渉3〜5日口頭確認のみで書面未取得
STEP 1-③ 内定承諾書面 or 電話で意思表示1日配属先確認漏れ
STEP 2-① 退職申し出上司への口頭報告30分〜1時間就業規則の予告期間を未確認
STEP 2-② 退職届提出書面提出・受理確認1〜2日退職願と退職届の混同
STEP 2-③ 引き継ぎ資料作成・後任者への説明2〜8週間引き継ぎが口頭のみで後任者が困惑
STEP 3-① 健康診断予約・受診・証明書取得2〜4週間入職直前に予約が取れず提出できない
STEP 3-② 書類収集住民票・免許証コピー等1〜2週間年金手帳・源泉徴収票の紛失
STEP 3-③ 事前オリエン施設訪問・制服確認半日当日の集合場所・担当者を未確認

出典: 厚生労働省「令和6年度職業安定業務統計」・日本看護協会「2024年病院看護実態調査」をもとに編集部が再集計


STEP 1:内定承諾・条件確認

内定保留は「1週間以内」が目安

内定通知を受け取っても、その場で即座に承諾する必要はありません。 ただし、長期間の保留は採用担当者への心証を悪くします。 一般的な目安は連絡を受けてから5〜7営業日以内です。

複数の施設を並行して応募していた場合は、他の面接結果が出るまでの猶予が欲しいことを正直に伝えてみましょう。 「選考結果の連絡をいつまでにいただけますか?」と確認するのは、誠実な対応として受け取られます。

労働条件通知書を必ず書面で確認する

内定承諾をする前に、雇用契約書または労働条件通知書の内容を書面で受け取り、一つひとつ確認しましょう。 口頭での説明だけで承諾すると、入職後に「聞いていた条件と違う」というトラブルの原因になります。

確認すべき主なポイントは以下のとおりです。

  • 給与: 基本給・各種手当(夜勤手当・住宅手当・扶養手当等)・賞与の有無と目安
  • 勤務形態: 夜勤の有無・月の夜勤回数・シフトパターン(二交替/三交替)
  • 配属先: 希望した診療科・部署への配属が保証されているか
  • 年間休日数: 公休数・有給休暇の日数と取得しやすさ
  • 試用期間: 期間中の給与・雇用保険の扱い
  • 退職金制度: 勤続年数ごとの支給有無
⚠️ つまずきやすい落とし穴:労働条件の口頭確認だけで承諾してしまう

「採用担当者が電話で説明してくれたから大丈夫」と書面を受け取らないまま内定承諾するケースが後を絶ちません。しかし口頭での説明は入職後に「言った・言わない」のトラブルに直結します。特に夜勤回数・配属先・試用期間中の給与は、書面に記載されていない場合に問題になりやすい項目です。承諾連絡をする前に「労働条件通知書を書面でいただけますか」と一言伝えることを習慣にしましょう。法律上、使用者は書面交付が義務付けられていますので、遠慮なく求めて構いません。

給与は市場水準と照らし合わせる

提示された給与が市場水準と比べて妥当かどうかは、客観的なデータを参考にしましょう。

夜勤手当・賞与込みの看護師平均年収519万7,000円

厚生労働省 令和6年(2024年)賃金構造基本統計調査(2024年)

厚生労働省の令和6年(2024年)賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収は519万7,000円です。 ただし、この数値には夜勤手当や賞与が含まれます。 夜勤なし・クリニック勤務などの場合は、この水準より低くなることもあります。 転職エージェントを使っている場合は、担当者に「この条件は相場感として適正ですか?」と率直に聞いてみるのも有効です。

条件に不安があれば交渉してよい

「内定をもらったから条件には文句を言いにくい」と感じる方も多いのですが、条件交渉は内定承諾前に行うことが一般的です。 特に給与については「前職との比較で◯万円は確保したい」という具体的な根拠を示すと、交渉が進みやすくなります。

ただし、無理な要求は採用担当者との関係を損ねる可能性もあります。 優先度の高い条件を1〜2点に絞り、丁寧に伝えることをおすすめします。


STEP 2:現職の退職手続き

退職の申し出は「就業規則」を確認してから

内定承諾が完了したら、現職への退職意向を伝えます。 退職申し出のタイミングは、就業規則に定められた期間を必ず確認してからにしましょう。 一般的には1〜3ヶ月前が多いですが、施設によっては2ヶ月前・3ヶ月前と定めているところもあります。

法律上は民法627条に基づき2週間前の申し出で退職は可能ですが、看護師の職場では人員の確保に時間がかかるため、就業規則に沿って進めることがトラブル回避につながります。

退職を伝える順番と方法

退職の伝え方には、伝える順番と伝え方の両方に注意が必要です。

伝える順番
  1. 直属の上司(師長・主任)に口頭で伝える
  2. 師長から部長・看護部長へ報告が上がる
  3. 正式な退職届を提出する

同僚に先に話してしまうと、師長が噂で知ることになり、関係悪化の原因になります。 必ず直属の上司に最初に伝えるようにしましょう。

伝え方のポイント
  • 「相談があります」ではなく「〇月末に退職させていただきたいと思っています」と決意を明確に伝える
  • 退職理由は「一身上の都合」でも問題ありませんが、聞かれた場合は「キャリアアップのため」など前向きな表現にとどめる
  • 引き止められた場合でも、感情的にならず「気持ちは変わりません」と穏やかに繰り返す

退職の切り出し方や引き止めへの対応については、看護師の退職の伝え方ガイドで詳しく解説しています。

⚠️ つまずきやすい落とし穴:退職予告期間を就業規則で確認しないまま日程を決めてしまう

「法律上は2週間前で辞められる」という情報を見て、そのまま師長に「来月末で辞めます」と告げるケースがあります。しかし多くの病院・施設は就業規則に「1ヶ月前」「2ヶ月前」「3ヶ月前」と独自の規定を設けており、規則に反した退職申し出は有給消化の交渉を不利にしたり、引き継ぎ不足を理由に関係が悪化したりする原因になります。退職を切り出す前に必ず就業規則を確認し、規定の期間に従ったうえで、転職先の入職日との兼ね合いを計算してから師長に相談しましょう。

退職届の提出と引き継ぎ

口頭で退職の了承を得たら、退職届を提出します。 提出先は直属の上司か、施設によっては人事部門に直接提出する場合もあります。 書式は施設指定のものがある場合はそちらを使い、指定がなければ白紙に縦書きで作成します。

退職届を提出したら、引き継ぎ資料の作成を進めましょう。 引き継ぎは「後任者が一人でも業務を進められる状態にする」ことが目標です。

引き継ぎで準備しておくとよいもの:

  • 担当患者・利用者の状況メモ
  • 進行中のプロジェクト・業務の現状と課題
  • 定期的な業務の手順書
  • 各種連絡先・申し送り事項

毎年10人に1人以上の看護師が離職している11.3%

日本看護協会 2024年病院看護実態調査(2023年)

日本看護協会の2024年病院看護実態調査によると、正規雇用看護職員の離職率は11.3%です。 多くの施設が人材確保に課題を抱えているため、退職申し出後も引き継ぎを丁寧に行い、職場に迷惑をかけない形で去ることが重要です。 次の職場でも看護師の世界は意外と狭く、「きちんと去った人」という評判は長く残ります。


STEP 3:入職準備

提出書類を早めに揃える

入職日が決まったら、提出を求められる書類の準備を早めに始めましょう。 必要書類は施設ごとに異なりますが、一般的に以下が求められます。

ほぼすべての施設で必要なもの
  • 看護師免許証(原本確認 + コピー)
  • 健康診断書(入職前3ヶ月以内のもの)
  • 住民票(マイナンバー含む場合あり)
  • 年金手帳(基礎年金番号が分かるもの)
  • 雇用保険被保険者証(前職からの引き継ぎ)
  • 源泉徴収票(前年分、年度途中入職の場合)
  • 通帳(給与振込口座の確認)
  • 印鑑(実印または認め印)
施設によっては必要なもの
  • 結核健診証明書
  • B型肝炎ワクチン接種証明書
  • 資格証明書(認定看護師・専門看護師など)
  • 卒業証明書

健康診断書は発行まで1〜2週間かかることがあります。 入職日が決まったらすぐに健康診断の予約を入れましょう。

⚠️ つまずきやすい落とし穴:健康診断書の手配が入職日ギリギリになる

内定が決まると入職準備に気持ちが向かいがちですが、健康診断書の準備を後回しにしてしまう方が非常に多いです。健康診断は予約から受診、証明書の発行まで2〜4週間かかるのが一般的で、人気のクリニックや健診センターでは1ヶ月以上待つこともあります。入職直前になって「証明書が間に合わない」と焦るのは典型的な失敗パターンです。施設から入職書類の案内が届いたその日に健康診断の予約を入れることを強くおすすめします。また、施設によっては「結核健診」や「B型肝炎ワクチン接種証明」など追加の検査項目を要求する場合があるため、必要な検査項目を先に確認してから予約しましょう。

入職前の施設訪問・オリエンテーション

入職日より前に施設見学や事前オリエンテーションが設定される場合があります。 このタイミングで確認しておくとよいことをまとめました。

  • 駐車場・駐輪場の利用可否と手続き方法
  • ユニフォームのサイズ確認・受け取り場所
  • ロッカーの場所・鍵の受け取り
  • 勤務に必要な持ち物(ナースシューズ・時計等)
  • 初日の集合場所・時間・担当者氏名

細かいことを事前に確認しておくことで、初日の緊張が大幅に軽減されます。

現職の最終出勤日まで丁寧に

有給休暇の消化や最終出勤日のタイミングは、施設と話し合って決めます。 有給残日数が多い場合、全部消化を認めてもらえないケースもありますが、まず申請してみることをおすすめします。

最終出勤日には、お世話になったスタッフへの挨拶と簡単なお礼の品を準備しましょう。 職場の雰囲気に合わせて個包装のお菓子などを準備する方が多いです。 金額の目安は2,000〜5,000円程度が一般的です。


失敗例・よくあるNG:実際に起きたトラブルと回避法

内定後の手続きで実際に多く発生するトラブルのパターンと、その回避法をまとめました。

NG例1:配属先の確認が口頭のみで「希望と違う部署」に入職

面接時に「希望は外科病棟」と伝え、採用担当者も「基本的にはご希望の方向で」と答えた。しかし労働条件通知書には配属先が明記されておらず、いざ入職したら内科病棟への配属だった——というケースです。

回避法: 配属先は「書面に明記してもらう」か、少なくとも「労働条件通知書の備考欄に記載を依頼する」ことが必須です。「基本的に」「原則として」という口頭表現は保証になりません。「書面への記載をお願いできますか」と一言確認しましょう。

NG例2:就業規則を確認せず退職を告げて有給消化ゼロで退職

「2週間前に言えばいい」という認識のまま師長に申し出たところ、就業規則には「3ヶ月前申告」と定められていたため、施設側から「ルール違反」と指摘され有給消化の交渉余地を失ったケースです。残り30日分の有給が消化できず、損失額は20〜30万円に上ることもあります。

回避法: 退職を申し出る前に就業規則の「退職に関する規定」を必ず確認します。就業規則は職員なら閲覧を求める権利があります。確認後、規定期間に合わせた退職希望日を逆算してから師長に相談しましょう。

NG例3:健康診断書の手配を忘れて入職日を延期

内定承諾から入職準備まで順調に進んでいたものの、健康診断書の準備を「入職日の2週間前でいいか」と後回しにしていたケースです。予約を取ろうとしたら最短で3週間待ちとなり、証明書発行まで含めると入職日に間に合わないことが判明し、入職日を1ヶ月延期せざるを得なくなりました。

回避法: 書類案内が届いたその日に健康診断の予約を入れることが鉄則です。施設指定の検査項目(結核健診・肝炎ウイルス抗体検査など)を先に確認してから総合健診センターへ連絡すると、受診当日に全項目をまとめて対応してもらいやすくなります。


よくある失敗チェックリスト

内定後の手続きで多くの方が経験しがちな失敗を、事前にチェックしておきましょう。

特に既卒採用の看護師の離職率は16.1%と高い水準にあります(日本看護協会、2023年度)。 入職後の早期離職を防ぐためにも、入職前に条件・配属先・職場環境を丁寧に確認することが大切です。

既卒採用では6人に1人が早期離職している16.1%

日本看護協会 2024年病院看護実態調査(2023年)

条件交渉や退職手続きは、転職エージェントに任せられます

転職エージェントは内定承諾から入職日まで、条件交渉の代行・退職タイミングのアドバイス・書類準備のサポートまで対応しています。一人で抱え込まず、プロの力を活用しましょう。


よくある質問(Q&A)

Q. 内定承諾後にやっぱり辞退したいと思ったら、どうすればいいですか?

A. 内定承諾後でも法的には辞退は可能です。 ただし、施設側にとっては採用活動のやり直しという大きな負担になります。 辞退を決めた場合は、できるだけ早く採用担当者に電話で連絡し、誠意をもって謝罪しましょう。 メールのみで済ませることは避けてください。 辞退理由は正直に伝えつつ、先方を批判する表現はしないよう気をつけましょう。

Q. 退職届と退職願の違いは何ですか?

A. 退職願は「辞めさせてほしい」という申し出、退職届は「辞めます」という通知です。 施設から「退職願を出してください」と指定された場合はそちらを、指定がない場合は「退職届」が一般的です。 いずれにせよ書面で提出し、受理された証として控えを残すかコピーを取っておきましょう。

Q. 入職日はどのように決まりますか?

A. 入職日は施設側の受け入れ準備と現職の退職日の兼ね合いで決めます。 一般的な入職タイミングは月初めが多く、4月や10月に合わせるケースが多いです。 転職先の採用担当者と話し合いながら、無理のない日程を設定しましょう。 現職の退職手続きが完了する前に入職日が来ることがないよう、日程に余裕を持たせることが大切です。

Q. 転職エージェントを使っている場合、内定後も担当者に相談できますか?

A. はい、相談できます。 多くの転職エージェントでは、内定承諾後も条件交渉のサポートや退職手続きへのアドバイスを提供しています。 入職後しばらくはフォローの連絡が来ることもあります。 担当者との関係を大切にしながら、分からないことは遠慮なく質問してみましょう。

Q. 引き継ぎ期間が短い場合はどうすればいいですか?

A. まず現職の師長・上司に状況を正直に伝え、引き継ぎの優先順位をつけて取り組みましょう。 緊急度・重要度の高い業務から順に引き継ぎ資料を作成し、「最低限これだけは伝えておく」というポイントを絞ることが大切です。 転職先との入職日の調整が可能であれば、余裕を持たせることも選択肢の一つです。


まとめ

内定後の手続きを振り返ると、以下の3点が特に重要です。

  • STEP 1(内定承諾・条件確認): 労働条件通知書を書面で受け取り、給与・配属先・勤務形態を一つひとつ確認してから承諾する
  • STEP 2(退職手続き): 就業規則を確認し、直属の上司に最初に伝えて、丁寧な引き継ぎで退職する
  • STEP 3(入職準備): 健康診断書など必要書類の準備は内定が出たらすぐに着手する

「内定をもらったら一安心」と思いがちですが、この時期の丁寧な対応が入職後のスタートに大きく影響します。 一つひとつのステップを確実にこなすことで、気持ちよく新しい職場へのスタートを切ることができます。

転職活動全体の流れが気になる方は、看護師の転職活動の流れ完全ガイドもあわせてご覧ください。

次のステップへ

内定後の手続きをプロと一緒に進めましょう

転職エージェントは条件交渉・退職サポート・入職準備まで無料で対応しています。内定後こそプロの力を借りる価値があります。

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