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病院の離職率は本当に高い?最新の全国・都道府県別データ

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目次

看護師の正規雇用離職率は11.3%(2023年度)で、全産業平均の15.0%より低い水準です。ただし既卒採用者は16.1%と高く、転職先のミスマッチが課題になっています。都市部ほど離職率が高く、大規模病院ほど低い傾向があります。

「看護師って離職率が高い」は本当?

「看護師は離職率が高い」。転職を考え始めると、こんな話を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。同僚が辞めていくのを見ると、「この業界は人がすぐ辞めるのかな」「自分も辞めていいのかな」と不安になりますよね。

でも、感覚で語られがちな離職率を、データで正確に見てみると違った景色が見えてきます。日本看護協会が2025年3月に公表した最新の「2024年 病院看護実態調査」(対象年度:2023年度)のデータを使って、看護師の離職率の実態を読み解いてみましょう。

最新データ:看護師の離職率は11.3%

毎年10人に1人以上の看護師が職場を離れている(2023年度)11.3%

日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」(2025年)

2023年度の正規雇用看護職員の離職率は11.3%。前年度(11.8%)から0.5ポイント改善しています。

ここで重要なのは、全産業の平均離職率は約15.0%(厚生労働省「雇用動向調査」)だということ。実は看護師の離職率は全産業平均よりも低いのです。「看護師は離職率が高い」というイメージは、必ずしもデータに裏付けられているわけではありません。

新卒・既卒で大きな差がある

離職率を見るとき、注意したいのが「新卒」と「既卒(中途採用)」の違いです。

区分別 離職率(2023年度)

正規雇用全体
11.3%
新卒採用者
8.8%
既卒採用者
16.1%

出典: 日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」(2025年)

新卒の離職率は8.8%(前年度10.2%から大幅改善)で、コロナ禍前の水準に戻りつつあります。一方、既卒採用者の離職率は16.1%と依然として高い水準にあります。

この差が意味するのは、中途採用の看護師が新しい職場に定着しにくい現実です。「転職したけど合わなかった」という経験をしている人が少なくないということ。転職先を選ぶ際には、職場の雰囲気や教育体制を事前にしっかり確認することが大切です。

都道府県別:東京14.2%、岩手6.8%の格差

離職率には、住んでいる地域によって大きな差があります。

離職率が高い都道府県

正規雇用離職率 — 上位3都府県(2023年度)

東京都
14.2%
大阪府
13.7%
神奈川県
13.6%

出典: 日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」(2025年)

離職率が低い都道府県

正規雇用離職率 — 下位4県(2023年度)

岩手県
6.8%
山形県
6.8%
秋田県
7.4%
富山県
7.6%

出典: 日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」(2025年)

東京都(14.2%)と岩手県・山形県(6.8%)では約2倍の開きがあります。都市部で離職率が高い背景には、求人の選択肢が多いため転職しやすいこと、キャリアアップ志向が強いこと、生活費の高さから給与への不満が生まれやすいことが挙げられます。

逆に地方では「地元の病院に長く勤める」という傾向があり、離職率が低く推移しています。

病床規模別:大きい病院ほど辞めにくい

病床規模別 正規雇用離職率(2023年度)

99床以下
12.6%
100〜199床
12.6%
200〜299床
12.2%
300〜399床
11.3%
400〜499床
11.1%
500床以上
10.4%

出典: 日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」(2025年)

病床規模が大きいほど離職率が低い傾向がはっきり出ています。500床以上の大規模病院は10.4%、99床以下の小規模病院は12.6%。さらに、既卒採用者に限ると99床以下では21.8%にまで跳ね上がります。

大規模病院は教育体制や福利厚生が充実しているため、看護師が安心して働き続けられる環境が整いやすいことが背景にあります。

過去10年の推移:コロナ禍で一時悪化、今は回復傾向

正規雇用看護職員の離職率推移

2016年度
10.9%
2017年度
10.9%
2018年度
10.7%
2019年度
11.5%
2020年度
10.6%
2021年度
11.6%
2022年度
11.8%
2023年度
11.3%

出典: 日本看護協会「病院看護実態調査」各年度

過去10年間、正規雇用の離職率はおおむね10.6〜11.8%の範囲で安定しています。新卒離職率はコロナ禍の影響で2021〜2022年度に10%台に急上昇しましたが、2023年度は8.8%に改善し、コロナ禍前の水準に近づいています。

このデータから何を読み取るべきか

1. 「離職率が高い」は思い込みの可能性がある

全産業平均15.0%に対して看護師は11.3%。数字だけ見れば、看護師の離職率は決して高くありません。ただし、人材不足が深刻な医療業界では、11%でも現場への影響は大きいのが実情です。

2. 転職先選びが定着の鍵

既卒採用者の離職率16.1%は、転職先のミスマッチが起きている証拠です。「給与が高い」「家から近い」だけで選ぶと、職場の雰囲気や教育体制とのギャップに苦しむ可能性があります。

3. 病院の規模と地域で働きやすさは変わる

大規模病院は離職率が低く、教育体制も充実しています。転職先を選ぶ際には病床規模も判断材料の一つにしましょう。

転職先の離職率や教育体制は、事前に確認できる

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離職率のデータが教えてくれるのは、転職そのものが悪いのではなく、「合わない職場に入ってしまうこと」が問題だということ。転職サイトでは、病院の規模や教育体制、離職率の傾向など、求人票だけではわからない内部情報を教えてもらえることがあります。

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まとめ

看護師の正規雇用離職率は11.3%で、全産業平均(15.0%)よりも低い水準です。ただし既卒採用者は16.1%と高く、転職先のミスマッチが課題。都市部ほど離職率が高く、大規模病院ほど低い傾向があります。

「離職率が高いから看護師は大変」ではなく、「どんな職場を選ぶかで定着率は変わる」。データを味方にして、次の職場選びに活かしてみてください。

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参考文献

  1. 2024年 病院看護実態調査(報告書 No.101)2026-02-16 閲覧)
  2. JILPT — 正規雇用看護職員の離職率は11.3%に2026-02-16 閲覧)
  3. 厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概要」2026-02-16 閲覧)

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